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株式会社CSマネージ荻澤純一代表取締役 (後編)

株式会社CSマネージ荻澤純一代表取締役 (後編)株式会社CSマネージ荻澤純一代表取締役 (後編)

具体的に、どう変わっていったんですか?
下請けからの脱却、を目指したの。
自社製品のCASEツール「Window-Think」、自動プログラミング系のソフト。
日経にも広告を出したりとかして、独自に売ろうとしていた。
結局あんまり売れなかったんだけれど、でもSIとセットにしていたから自社が食っていくには充分でしたねJRとかにも入れたし。
トーマツ(監査法人)も使って頂いたし。
まぁ、知名度の向上には役たったと思うし、製品開発ってどういうものか企画、開発、マーケティング販売をやって肌で感じたね。
今思えば当然なんだけど、製品にはライフサイクルがあるんだなって強く意識させられた。
現在、沢山のソフトウェア技術者はいるけれど、こういう経験ノウハウを持っている人は全体のどれくらいいるでしょうか...。

なるほど、企業からの外注を待つでなく、独自に売り込みを開始したと
そう。
それとこの時期には、MS-Wordの開発の一部を請け負ったりしていたので、海外のソフトの販売も始めたんです。
海外のソフトって英語版はたくさんあるけれど、日本語のものってほとんどない。
日本語のローカライズを行い、マニュアルとかも日本語にしなきゃいけない。
そのころはパソコン通信Compu-Serveとかでそういう情報を仕入れることができたんだよね。
USやフランスの会社のactive-xコンポーネント製品をローカライズして売り出しました。

そういう会社とどうやって仕事を始めることができたんですか?
単にメールを打っただけ(笑) あっこんな簡単にできるんだって思った。
こんなに簡単でOKなんだって。
向こうも日本なんかにそんな期待してなかったかもしれないが、「まぁ日本で売りたければどうぞ」みたいな。
1件目で、こんな簡単でいいとわかったから2件目はすんなりと。

契約書関係はどうするんですか?
あっちが送ってきてくれる。
契約書を送付してきて、いくらだったらいいよ、と。

あとは、交渉ですね。
それで、契約は完了。
なるほど「簡単じゃん!」って。
98年頃、そう。
そうしていると時代がWEBになった。
これはすごかったと思うね。
市場がいっせいにWEBに走ったでしょう。
でも、正直いって暫くWebシステムってどう開発していいのか?確かにダウンサイジング以降、生産性もあがったけれど、大型汎用機ほどの、システムの信頼性やスケーラビリティはどう解決すれば良いのか悩んでいた時期でもあった。
そこでWeblogicなどアプリケーションサーバーの製品と出会い、『これだ!』と。

当時この切り口でやっていたのがEC-ONEっていう会社だったのね。
そのとき三菱商事からの仕事をやっていたんだけれど、その仕事仲間から「こういう会社あるよ」って教えられて。
それがきっかけかなぁ。
98年ころに知り合って、99年資本提携して仕事を一緒にやってて、そして2000年には会社を合併したの。
その後上場もしたんだけれど。

株はどうしたんですか?
売ったよ(笑) 20万円くらいの株価が、上場したら70万円くらいになっちゃって。

規定があるのですぐには売れないでしょう?
いや、合併したときはぼく役員じゃなかったから(笑)

売り逃げだ(笑) ずるい!
いや、でもしばらく働いていたんだよ。
最初は製品開発部門の部門長で、立ち上げたばかりの会社になーんにもないのに、「こういう製品をつくりますから、半年後に納入します。だからお金ください!」って それなのに、数千万円ずつを各社から頂いて、すぐに数億円を売り上げたんです(笑)。

そういうのは私自身初めての経験だったね。
納入するから金をくれ、というのは。
だけど、これって商社マン的発想なんだけど、商社では普通なようで『マルチクライアント方式』って言って研究費が開発元では投資できないので、沢山買っていただける会社を探して研究成果一定の割合であげますって商売だったのです。
「まずは契約してください。そしたら納入します」と。

シリコンバレーでよく聞くのは、投資(株式)して、研究を委託する例は普通だけどこれは、リターンが株じゃなく、優先的な使用権だったりするんです。

同じことをおっしゃっている人もいました。
「金持ち企業は前払いを要求する。
貧乏会社は仕事が終わってからお金を要求する」と
そのあと、社長直下で、インキュベーション、投資事業部門にも関わっていた。
有力な企業があって、それを投資できるくらいのところまでもっていく。
子会社にベンチャーキャピタルがあったので投資後はファンドマネージャーに任せます、という方式なんです。

ITに限って言えば、日本はアメリカから2~3年くらいトレンドが遅れているでしょう。2、3年遅れてトレンドがやってくる。
だからアウトソーシング動きが加速してくるから、それをいまのうちにやっとこうとか、様々な観点から検討していくのです...。

なるほど、ただ、今お話をきいている限りは、何も不自由なくすごされていたようですが、現在の会社を設立するきっかけは?
いや、結局ねー。
人の事業なんですよね。
制約も多いし。
EC-ONEはいい会社ですけれど、私にとっては自分の事業として好きに自由にやりたいということなんでしょう。
(笑)そういうことかな。

ああ、お話が一本につながった気がします。
最初フリーになられたのも、会社を作られたのも、次の会社設立も、結局のところ「自由を求める」ゆえんだったんですね。

そうだね。
色々制約があるのってイヤじゃん(笑)

ところで、フリーで生きていこうとしている若者。起業しようとしている若者にメッセージを。
まずね。
SEという世界でいうと、今IT技術者は多いので市場価値が下がってますね。
ここ20年くらい殆ど単価が変わっていない。
バブル崩壊以降企業は雇用削減ばかりしているでしょう。
それで契約、派遣社員を雇うのが当然となっていって、その契約、派遣社員の地位はどんどん下がっている。
もう、全然違うでしょ。
正社員とそれ以外ってさ。
だから、ぼくらの時代以上に、誰もが真似できない技術がなかったら価値がないよね。
それが他人に認められるほどのものでなきゃ。
それから市場で何が求められているのか?それは非常に重要だよね。

ご自身の中のやりたいことと市場が求めているものがズレてきたりしませんか?
いや、ぼくはトレンドを追い求めること自体が趣味だから(笑) マーケットを見なきゃ。
そしてマーケットを見て、何をするか決める。
これが原則だよね。
そしてそれが受け入れられなきゃ。

なるほど、最後にご自身の将来は?
将来なんてわかんないよ(笑) だけど、新規事業は極めたいかなぁ。
トレンドを追い求めたいね。
フリーたって不自由がたくさんあるし、問題もたくさんあるし、それでも「やりたい」っていう気持ちがなけりゃ止めたほうがいいよ。
「それでもやる」んじゃなきゃ!
ありがとうございました。

インタビューを終えて・・・
少し前から荻澤さんとの交流が始まった。

この人との会話は、最近時に起きたことの中でもっともエキサイティングなことのひとつだ
「働く」という形態がどんどん多様化している中で、ぼくらは何を指針として行動すべきか。
そして、その先に何が想像できるのか? ――21世紀の社会人としてのぼくらには、そんな大きな課題も課せられている。

深い悩みに陥ったり、転職しても後悔したり、同じ会社に居続けてはグチをこぼしたり。
そんな若者が多くいる。

だったら机上の知識でもなく、ずっと会社員を続けた人の話でもなく、最高の自由人からヒントを得てみては? 軽やかな荻澤さんは、ことさらな主張を込めず、その響きだけで「ぼくらはもっと自由に働けるぞ!」そう語りかけているのかもしれない。


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